日本で働く精神科医のほとんどはDSM(アメリカ精神医学会が発表している診断基準)あるいはICD(世界保健機構WHOが発表している診断基準)に基づいて診断をしています。
パニック障害の概要
パニック障害とは、何のきっかけもなく突然呼吸が苦しくなり動悸がして死ぬのではないかと思うくらいの不安感に襲われる精神疾患です。そういった発作が数分間~1時間くらい続きます。
似たような疾患に広場恐怖症(閉所恐怖症)があります。広場恐怖症(閉所恐怖症)の場合、エレベーター・ショッピングモール・美容室などすぐに逃げれない場所で発作が起きますが、パニック障害は場所を選ばず突然に発作が起きます。
また、一度発作が起きてしまうと次に再度発作が起きるのではないかと不安感・気分の落ち込みが出てくるようになります。それを予期不安といいます。
DSM(アメリカ精神医学会の診断基準)では次のようになっています。
パニックの診断基準
パニック発作とは、突然の強い恐怖または強い不快感の発作で、数分以内にピークに達するもの。
発作中に以下のうち4つ(またはそれ以上)の症状が突然現れ、数分以内にピークに達する:
①動悸、心拍数の増加、または心拍を感じる
②発汗
③震えまたは身震い
④息切れ感または息苦しさ
⑤窒息感
⑥胸の痛みまたは不快感
⑦吐き気または腹部の不快感
⑧めまい、ふらつき、気が遠くなる感じ、または失神しそうな感覚
⑨寒気またはほてり
⑩異常感覚(感覚麻痺またはうずき感)
⑪現実感喪失(非現実感)または自己から離れていく感覚(離人感)
⑫コントロールを失う、または「気が狂う」のではないかという恐れ
⑬死ぬことへの恐怖
パニック障害の治療方法
①投薬治療:パニック障害で不足しているセロトニンといった神経伝達物質を増やす薬を投与することがあります。また、発作が起きそうなときだけに抗不安薬を頓服することがあります。
②環境調整:パニック障害が起きるきっかけとなったこと、過労・心労などがあれば調整していきます。
③カウンセリング:心理士さんなどと話を通して治療をしていきます。深呼吸をしたり全身の力を抜いたりするリラックスする方法を学んだりします。
パニック障害と広場恐怖症(閉所恐怖症)との違い
パニック障害と似たような疾患に広場恐怖症(閉所恐怖症)があります。広場恐怖症(閉所恐怖症)の場合、エレベーター・ショッピングモール・美容室などすぐに逃げれない場所で発作が起きますが、パニック障害は場所を選ばず突然に発作が起きます。
パニック障害と広場恐怖症(閉所恐怖症)の治療の違い
パニック障害と広場恐怖症(閉所恐怖症)の治療方法はほとんど一緒になります。一度発作が起きてしまうと再び発作が起きるのではないかという予期不安が増強してきます。薬に抵抗感があるかもしれませんが、まずは発作が起きないように抗不安薬やSSRI(セロトニンを増やす薬)を使って発作を抑えましょう。
発作が起きないようになれば予後は良く、自信がついて自然寛解される方が多いです。
ただし、良くなったと油断するとしばらくして何かのストレス(仕事など)で再び発作が悪化することがあります。悪化→寛解→悪化→寛解を繰り返すことが多いです。
